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特許について、できるだけ分かりやすく説明しています!スクロールして頂くと過去の内容を閲覧できます。ぜひ読んでみてください!!

Page 9 外国で特許を取るには?

 こんにちは! 今回は、外国で特許を取得する場合の話です。

 今までは、日本国内で特許を取る場合を前提にお話ししてきました。そして、日本で取得した特許権は、日本国内にのみ効力が及びます。米国などの諸外国では、日本で取得した特許権を行使することはできません。

 では、外国でも特許権を行使したい場合、つまり、外国でも自身の製品について他人による製造販売をさせず、自分だけで独占的に製造販売したい場合にはどうすればよいでしょうか。この場合は、特許権を行使したい国で特許権を取得すれば、その国で特許権を行使できる状態になります。例えば、ある企業さんが、新規に開発した製品を日本はもちろん、韓国やタイ、更に、米国でも製造販売したい、と考えているとします。この場合は、日本、韓国、タイ、及び米国の全ての国で特許権を取得すれば、各国で自社製品を独占的に製造販売できる状態を作れる、ということになります。

 一般には「世界特許」なるものがあるように思われがちです。1つの「世界特許」を取れば全世界で特許権を行使できる、みたいな。しかしながら、そのような「世界特許」は未だに存在しません。やはり、各国でそれぞれ特許権を取得しないと、その国で自社製品を独占的に製造販売できる状態にはならないのです。

 それでは、各国で特許を取るためにはどうすればいいか、ですが、これはシンプルに、それぞれの国で特許出願をして審査を受けて、特許付与を求める手続をする、ということになります。こうなると、国別に書類を作って、各国でそれぞれ特許事務所に頼んで、いや、そもそも、その国の事務所に連絡するなんて面倒、という話になってくると思います。このため、複数国で特許を取りたい場合は、日本の特許事務所に外国での特許取得のための手続を依頼すれば、各国での特許取得の手続を取り次いで管理をしてくれます。早い話、日本の特許事務所に依頼するだけで、諸外国での特許取得が何とかなる、というわけです。

 このため、弊所でも、諸外国の特許事務所や法律事務所とは、親密なお付き合いがあり、広くて深いネットワークがあります。どの国に対しても特許取得のための手続を円滑に行うことができるようになっています。「あの国で特許を取りたいなあ」と言えば、それだけで手配をすることができますよ!

 でも、そうなると、どのようにしてそんな色々な国の弁理士や弁護士と親しくなるのか、という疑問が出てくるかもしれません。このあたりの話や諸外国で特許を取るための実際の所内作業など、次回にお話ししたいと思います。というか、特許事務所の仕事を皆さんに知ってもらいたい、という気持ちが強いのですが(笑)。

Page 8 新製品に採用される次の技術を探れ!

 こんにちは! 今回は、企業が将来発表する技術や製品が事前にわかるかも、という話をしたいと思います。

 以前からお話していますように、新しい製品を開発した場合には、特許出願をして特許権を取得しておくと、他者が同様の製品を製造販売することを止めることが可能になります。なので、各企業は製品を開発したときには必ず特許出願をするわけです。と言っても、新たな車が開発されたからといってその車自体が特許出願されるわけではありません。車の場合だと、エンジンの一部の部品だったり、ディスプレイの表示制御だったり、或いは、施錠技術など、ありとあらゆる細かな技術について特許出願がされます。たった1つの製品に数百の特許出願がされることもあります。

 それで、ここでお伝えしたいことは、既に他人に知られている場合は特許が取れないため、特許出願は新製品や新規技術が他人に知られる前にされる、ということなんです。そして、特許出願は、出願日から1年6か月後に特許庁が公開公報により公表することになっています。新製品に採用される技術は、販売の何年も前に開発されて特許出願されていることも多いので、この特許庁の公開公報を調べることで、今後の各企業の技術開発動向がわかる、というわけです。

 このため、あるメーカーのスマートフォンに採用される次のディスプレイはどのような形式か、新車に採用される自動運転制御に採用されるのはこのセンサーか、この通信規格にはこの暗号化技術が採用されるのか、などを、公開公報に記載されている企業名や、発明の名称、出願時期、そして勿論、特許出願をなす明細書や図面から、予測可能なのです! この公開公報は、企業が他の企業の技術開発動向を調べたり、公報に開示されている技術を参考に更なる新規技術を開発するために用いたりすることが多いのですが、ネットで簡単に誰もが見られますので、興味本位で個人的に、新製品に搭載される規格やデバイスを予測して楽しむこともできます。

 このことから、最近では、公開公報を調べて、次世代のスマートフォンに採用される技術を知らせるネットニュースも多く見かけるようになりました。皆さんも、興味のある製品について、次の展開を調べてみてはどうでしょうか。暇つぶしにはなると思います…

Page 7 特許庁の審査

 こんにちは!今回は、特許庁のお話、特に、審査についてのお話をしたいと思います。

 特許を取得したい場合、特許を取りたい発明の内容を特許出願書類に記載して、この特許出願と更に審査請求書を特許庁に提出します。特許庁がこれらの書類を受け取ると、審査官が審査を始めます。ところが、この審査、十数年前までは、大変に時間が掛かっていたんです。上記の審査請求書により審査をお願いしてから一応の審査結果が得られるまで、数年かかっていました。当時は、日本の特許出願数は40万件を超えており、審査の手が足りていない状況で、審査に長期間を要するのが当たり前でしたので、審査が遅いという感覚はなかったように思います。

 しかしながら、審査が遅れるということは、特許出願した発明の特許化が遅れるということになります。企業が、製品開発から販売までを迅速に進めたいのに、特許が取得できるまで何年もかかっていたのでは、販売時に製品を特許で保護できない事態になりかねません。

 一方、他国では、日本よりも早く審査が進んでいる国もありました。例えば、米国は日本よりも審査が早かったです。そうすると、同じ発明を日本と米国に同時に出願した場合、米国では特許が取れて発明が保護されているのに、日本ではその発明は未だ保護が受けられていない、という事態が生じます。新規発明の保護について各国で差が出てしまいます。このため、審査期間を短縮する必要がありました。また、条約上の要請で、審査期間を早めなくてはならないという事情もありました。

 そこで、特許庁は、審査官の増員や審査に必要な調査の方法の改善等に取り組み(他にも多々改善されたと思いますが)、審査期間を短縮させました。今では、約6か月で審査結果が届きます。更には、早期審査という制度を利用すると、審査請求をしてから2か月程度で最初の審査結果が得られるようになりました。現在では、同じ発明を日本と他国に同時に出願したとき、日本での審査が最も早く進むようになりました(あくまで私の感覚ですが)。

 今では審査が早くなりましたので、特許出願から6ヶ月程度で特許取得に至る、ということも珍しくありません。特許制度は、製品開発から販売までを迅速に進める企業さんにとって、非常に使いやすいものになりました。また、個人事業主や小規模企業に対しては、審査請求料の減免措置を採っているため、審査に要する費用も以前よりも低額になっています。審査請求料は本来14~20万円ですが、減免措置により1/2,1/3となります。費用面でもかなり使いやすいものになりました。

 このように、特許制度は以前よりもユーザーフレンドリーなものになりました。事業で製品開発をされる際には、ためらわず特許取得を検討してみるのも一案です。

 なお、実務の体験上、日本の特許庁は、他国の特許庁に比べて、審査や手続面におけるサービスでかなり優れているように私は感じています。以前、日本は技術開発が盛んで企業からの特許出願件数が多かったため、特許業務に関しては世界をリードできていたからだと思います。他国の追い上げもありますが、日本の特許庁は他国の特許庁よりも優れた行政機関です。コロナ対応などで日本の行政に対する批判も出ていますが、この点に関しては安心してよいのではないでしょうか。あくまでも私見ではありますが…

Page 6 最近のセルフレジに驚いた!

 こんにちは!

 最近は、多くの店舗でセルフレジの導入が進められています。最も身近なところでは、コンビエンスストアでしょうか。このコンビニのセルフレジは、店員さんがするバーコード読取作業をお客さんが代わってするものですね。読取作業が終われば、クレジットカードか電子マネーで支払いを済ませます。慣れると結構気楽なので、あえてセルフレジを利用することも多いです。商品選びから支払いまで全て自分自身で完結できますので、こうなってくると、店員さんに毎回「ありがとうございました!」と言ってもらうのが心苦しく感じてきます。

 そんなセルフレジでも、今話題になっているのがユニクロのセルフレジです。ユニクロのセルフレジは、コンビニのようにバーコード読取をしなくてよく、買いたい商品を入れたカゴを、レジ台に作られた窪みに入れると、全ての商品の価格の合計が即座にディスプレイに表示される、というものなんです。コンビニの場合と違ってバーコード読取作業がないので本当にもう一瞬で会計が完了します。すごいことなのですが、服飾店で全てセルフ作業だと少し侘しい気もします(笑)。百貨店での買い物とは一線を画しています。

 そんな凄いセルフレジを採用するユニクロですが、実は、他者の特許権を侵害しているのではないか、と訴えられているのです。特許権者とユニクロとがお互いに持っている考えはそれぞれ複雑なのですが、要するに、ユニクロは特許権の存在を知っていたものの、この特許権を侵害していないと考えていて、特許権者は特許を侵害していると考えていて、紛争になっているわけです。

 それで、まあ私がここで説明したいことですが、それは、技術開発時に特許権を取得しておけば、たとえ相手が大手企業であっても特許発明を自由には使い難くなる、ということです。特許で押さえておいて、他の企業には製造販売させず特許権者自身で独占的に販売することも可能ですし、他の企業に使用させてライセンス料を徴収することも可能になります。特許庁に提出した書類だけで特許が取得でき、特許を取得しているだけで、有名企業でさえ、この特許を気にしながら業務を行わなければならなくなるのです。

 今回のユニクロの件ですと、特許権者は、ユニクロに使ってもらって、ライセンス料を貰うのが最も効率がいいですね。しかし、ユニクロも、侵害していないという考えを持っていますし、特許を無効にする審判も請求していますので、結末はどのようになるのかは分からないです。私の全くの個人的な意見としては、あのセルフレジはすごく好きなので、ユニクロにはこのまま採用し続けて頂き、特許権者にはその対価として、お互いに納得する良い金額のライセンス料が入るといいな、と思っています。もちろん、侵害していないとの結論になったり、侵害しているとの結論でユニクロがセルフレジ撤去、とかになったりするかもしれませんが。

 今回は、特許が活用されている事例として身近な話題に触れてみました!今年は本当に大変な年でしたが、しばらくは寒さを我慢して、良い春を迎えたいですね。春にはどうか綺麗な桜が見られますように!

Page 5 特許権を上手く使って製品販売

 こんにちは!

 特許による保護を得つつ販売を行うには、特許権を取得していることが大前提となります。そして、今までにお話ししましたように、特許権は、新しい技術に対してのみ付与されます。このため、特許により他者による同一製品の販売を抑制しながら新製品を販売したい場合には、新製品の販売前に、特許を取得しておくことが最も望ましいです。そうすれば、新製品の販売開始時点から、新製品に特許番号を表記して、他者による同一品の販売を牽制できます。

また、新製品の販売開始前(正確には公表前)に、なんとか特許出願さえしておけば、新製品の販売後であっても、特許を取得することはできます。この場合、販売開始後であって特許が取得できた時点以降は、他者による同一品の販売を牽制することが可能です。

 まあ、牽制だけでなく、損害賠償請求だったり、販売差し止め請求だったりと、色々とできるのですが、これらは、前回お話ししましたので、ここでは触れないようにしますね。

 従って、特許により他者による同一製品の販売を阻止したい場合は、新製品の開発段階から、特許出願を検討しておく必要があります。最低でも、新製品の販売前に特許出願はしておかなければなりません。簡単にいえば、特許事務所に相談しておいた方がよいです。

 なお、新製品の販売開始後であっても、販売開始から1年以内であれば、この期間内に特許出願をすることで、特許法の例外規定により、特許権の取得は可能です。基本的には、上記のように、新製品の販売開始前に特許出願をしなくてはならないのですが、実際には、新製品の販売前に特許出願をしておくことが難しい場合も多いため、このような取り扱いが認められています。特許出願は、実は面倒な作業で、新製品のどの部分について特許を取得したいかを特定し、特許を取得する部分を特定した上でその内容を書面で説明する必要があります。このため、特許出願をしようと決めてから、特許出願を完了できるまでには、平均1ヶ月程度の期間が必要です。しかしながら、実際には新製品の開発、製造、及び販売に奔走していて、じっくりと特許出願の作業のための時間を確保することなんてできない、ということが多いです。なので、新製品の販売開始から1年以内に特許出願をしているのならば、例外的に特許権を付与する、という規定がおかれています。

 まとめますと、特許権により他者の同一製品の販売を阻止しつつ新製品の販売を行うには、(1)販売前に特許取得、(2)無理なら販売前に特許出願だけはしておく、(3)それも無理なら新製品の販売開始から1年以内に特許出願をする、ということになります。

 というか、シンプルにいえば、新製品の販売を思いつかれたら、まずは、相談をしてみる、ということですね。特許事務所が最もよいですが、税理士さんでも、司法書士さん、弁護士さん、銀行員さん(?)など誰でもよいので、まずは相談をしてみてください。きっと弁理士につながりますので。ここで忘れないで欲しいのは、新製品の具体的な内容までは相談の段階では話さないようにすることです!特許が取れなくなりますので。新製品のために特許が取りたいけど…という程度の相談がいいですね。

 実は、他者による邪魔な販売を阻止しつつ製品の販売を行うには、特許権以外にも、意匠権や商標権を使うという方法もあります。これについては、またお話ししたいと思います。今回は、軽い話をと思っていましたが、あまり軽くないですね。失礼しました。次回こそ、軽くて面白い内容にしたいと思います!

 

Page 4 特許権をどのようにして活用するか 2

こんにちは!前回から、特許権を取得した製品を他人に無断で製造販売されてしまうことを、どのようにして防ぐかをお話ししています。

 特許権を取得しても、他人が特許製品の製造販売等を自主的に控えるとは限らないので、(1)特許権者が自分自身で自社製品が特許であることを積極的に広告する、(2)特許製品を無断で製造販売している他者に警告書を送る、ことにより他者による無断での特許製品の製造販売等を控えてさせる、といった策を説明してきました。

 これら(1)(2)により他者が製造や販売をやめてくれればよいのですが、これらを無視して、他者は、特許製品の製造販売をやめないこともあります。このような事態となった場合には、更に次の一手を打つことになります。

 このような次の一手としては、訴訟を提起する手段があります。他者が権利者に無断で特許発明を事業として実施することは違法行為なので、裁判所の力を借りて、他者による無断での特許製品の製造販売等をやめさせるのです。具体的には、裁判所に対する訴訟提起により、特許侵害品について差し止め請求を行います。そして、他者の侵害を認める判決が確定すれば、裁判所の力で、他者による無断での特許製品の製造販売等をやめさせてくれます。

 この訴訟による解決としては、更に、損害賠償の請求があります。上記の差し止め請求は、他者によるこれからの特許製品の製造販売等をやめさせるものなので、既にされてしまった侵害行為に対しては効果がありません。このため、既にされてしまった侵害行為により特許権者に損害が発生している場合には、その損害分を金銭的に支払ってもらうことを請求するのです。例えば、他者による特許製品の勝手な製造販売等のせいで、特許権者が販売する特許製品が売れなくなってしまい、本来は1000個売れるはずなのに500個しか売れなかったような場合は、この500個分を売り上げることで得られたはずの利益分を損害として侵害者に請求します。また、他者が勝手に販売した分について、ライセンス料を請求することもできたりします。裁判所による、このような損害賠償請求を認める判決が確定すると、侵害者である他者は、請求された金額を支払わなければならなくなります。

 これら差し止め請求及び損害賠償請求は、特許権を取得しているからこそ、できることです。特許権は、取得するだけで寝かせておくと効果が少ないですが、実際に動いている事業で販売している製品について取得しておくと、いざというときに有効に機能します。

 今回は、話の内容が固くなってしまいました。。。今後は、軽い気持ちで面白く読んで頂ける話を展開していきたいと思います。次回も読んで頂ければ嬉しいです。

Page 3 特許権をどのようにして活用するか

 こんにちは!前回は、特許権の内容や取得方法をお話ししました。今回は、特許権を取得した後はどのように活用すればよいのか、をお話ししたいと思います

 新たに開発した新製品について無事に特許権を取得できたとしても、特許庁に特許権の発生が登録されているだけでは、あまり意味がありません。特許権が発生すると、特許権の対象となっている製品等については、基本的に他人が勝手に製造及び販売することはできなくなるのですが、他人は特許権の存在を知らないことが多いのです。

 特許庁は「公報」を発行して国民全員にその特許権の内容を知らせるのですが、その公報は通常一般の方々の目にとまるものではありません。特許権の内容を知りたい人がウェブサイト等で調べて初めて知ることができるもので、一般家庭や企業に特許庁から自動的に公報が送られてくるようなものではないのです。このため、特許権を取得しても、他人が自ら、特許権の対象となっている製品等の製造や販売をやめてくれることは少ないです。

 ではどうするのか?ですが、まずは、特許権者が自分自身で特許権の内容、すなわち、自社製品が特許であることを積極的に発信する策があります。例えば、(1)製品自体やそのパッケージに特許番号等を記載し、製品を目にした他者に特許の存在を知らせるとか、(2)製品のカタログや販売ウェブサイトに特許を取得していることを明記しておく、といった方法があります。これらにより、他者が、「あっ、この製品には特許があるのか。では同じ製品や似た製品の製造販売を控えよう」という気持ちになることを期待します。これで控えてくれれば、かなりの効果です。特許権者は製品の販売を独占できます。

 しかしながら、他者が、特許の事実を知っても、その製品の製造や販売をやめない場合もあります。自分の製品は特許製品には該当しないと信じ込んでいる場合もあります。そのような場合には、次の策として、その他者に警告書を送る方法があります。「あなたの製造販売している製品は私の特許権を侵害するから直ちに製造や販売をやめてほしい」と伝えるわけです。これにより、他者の製造販売を牽制し、やめる方向に導いていくわけです。

 そうは言っても、警告書を送ってもその他者が製造や販売をやめない場合もあります。他者は、警告書をみても、自分は何も間違ったことはしていない、と考えることも多いですし、自分の製品は特許製品には該当しないと確信していることもあります。このような事態となった場合には、更に次の手を打つことになります。

 それで、次の一手なのですが、字数が多くなってきましたので、今回のお話はここまでとしましょう。次の一手は次回ということで。今は既に涼しくなっており、毎日眠りやすくなりましたし、食事も美味しくなってきました。皆さんに過ごしやすく快適な生活を楽しんでいただくためにも(?)、このお話はのんびり進めて行きたいと思っています。次回も読んで頂ければ嬉しいです!

Page 2 特許権とは?

 こんにちは!今回は特許権についてお話ししたいと思います。製造業等の方は、新たに開発した新製品を販売するときに、この新製品を他人に真似されたくない、自社だけで販売を独占したい、とお考えになると思います。このような場合に、新製品を他人が勝手に販売できないようにできるのが特許権です。例えば、製造業の方が、新製品を販売するとき、この新製品に特許を持っていれば、他人による同じ物の販売を止めたり、勝手に同じ物を販売された場合に賠償を請求できたりします。

 では、特許権は、どのようにすれば取得できるのでしょうか?特許権は、新技術の開発と共に勝手に発生するわけではありません。特許権は、特許庁という役所に特許出願(特許申請)をしなければ取得することができません。特許庁に特許出願をし、審査官による審査を経て、特許権が付与されます。この審査では、新しい技術(発明)について、新しさ(新規性)、難しさ(進歩性)、産業において利用できるか(産業上の利用性)の有無が判断されます。新しい技術にこれらがある場合に限り、特許が付与されます。

 ですので、特許を取得したい場合は、まず特許出願をすることが必要です。そして、特許出願には、審査官が上記の審査ができるように、新しい技術(発明)の内容を書きます。そして、特に注意が必要なのは、上記の「新しさ」は、他人に知られていないことを意味するので、基本的には新製品の販売前に特許出願をしておかなければならないことです。

 このような特許出願ですが、まともに審査をしてもらえるように新しい技術(発明)の内容を書くことは、なかなか大変です。このため、特許事務所は、発明者さんから依頼を受けて、特許出願書類を作成して、特許取得までの特許庁とのやりとりを行っています。特許事務所の存在意義の1つですね。

 このように、製造業等の方々にとって、新たに開発した新製品の販売時に特許を取得しておくことは、有効な手段です。今日では、企業間の競争で、スマートフォン、車、エアコン等のあらゆる製品には、無数の特許が取得されています。そして、技術開発の積み重ねにより、驚くべき高度な技術が登場しています。しかしながら、私は、いろいろな発明について特許取得のお手伝いをして高度な技術を見過ぎたせいか、今ではシンプルに、傘とか、靴とか、コーヒーとか、バタートーストとか(笑)、を最初に考え出した人こそ、本当にすごい人なのでは、と思っています。

Page 1 「知的財産権」と言われても…

 私は、特許事務所で弁理士として仕事をしているのですが、特許事務所や弁理士と言われても、何のことだか、わからないと思います。私自身、家族や友人、知人に、自分の仕事を説明しても、「う~ん…」と言われて話が続かなくなることが多いです。なので最近は、自分の仕事を説明すらしないこともあります。よく知られている職業である、税理士さんや弁護士さん、お医者さん、パイロットがうらやましいですね。

 そんな弁理士は、知的財産権というものを扱う仕事です。そして、知的財産権は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、等の形のないものについての権利ですが、一般的には、まだまだよく知られていないのが現状なんです。それで、この場を借りて(笑)、ちょっと紹介しようと思い立ちました!

 まずは特許権ですが、これは、新しい技術を考え出した場合に、この技術を他人が勝手に使えないようにしてくれる権利なんです。例えば、製造業の方が、新たに開発した新製品を販売するときに、この新製品に特許を持っていれば、他人に真似をされないようにしたり、勝手に同じ物を販売された場合に賠償を請求できたりします。逆に、悪気なく製品を販売していても、他人から特許製品と同一だから販売をやめて欲しいと言われるかもしれません。実は、この特許権などの取得をお手伝いしたり、揉め事を解決するのが私の仕事なのです。

 どうでしょう、ここまで退屈にならずに読んで頂けたでしょうか?(笑)。知的財産権は、事業者さんにとっては、「知っていると役立つ権利」だったり、「なかなか使える権利」だったりするのですが、経験上、長い話は聞いてもらえないことを知っていますので、この辺で!できれば、次回もまた、皆様に何かお話を聞いて頂けると嬉しいですね。