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特許について、できるだけ分かりやすく説明しています!スクロールして頂くと過去の内容を閲覧できます。ぜひ読んでみてください!!

Page 6 最近のセルフレジに驚いた!

 こんにちは!

 最近は、多くの店舗でセルフレジの導入が進められています。最も身近なところでは、コンビエンスストアでしょうか。このコンビニのセルフレジは、店員さんがするバーコード読取作業をお客さんが代わってするものですね。読取作業が終われば、クレジットカードか電子マネーで支払いを済ませます。慣れると結構気楽なので、あえてセルフレジを利用することも多いです。商品選びから支払いまで全て自分自身で完結できますので、こうなってくると、店員さんに毎回「ありがとうございました!」と言ってもらうのが心苦しく感じてきます。

 そんなセルフレジでも、今話題になっているのがユニクロのセルフレジです。ユニクロのセルフレジは、コンビニのようにバーコード読取をしなくてよく、買いたい商品を入れたカゴを、レジ台に作られた窪みに入れると、全ての商品の価格の合計が即座にディスプレイに表示される、というものなんです。コンビニの場合と違ってバーコード読取作業がないので本当にもう一瞬で会計が完了します。すごいことなのですが、服飾店で全てセルフ作業だと少し侘しい気もします(笑)。百貨店での買い物とは一線を画しています。

 そんな凄いセルフレジを採用するユニクロですが、実は、他者の特許権を侵害しているのではないか、と訴えられているのです。特許権者とユニクロとがお互いに持っている考えはそれぞれ複雑なのですが、要するに、ユニクロは特許権の存在を知っていたものの、この特許権を侵害していないと考えていて、特許権者は特許を侵害していると考えていて、紛争になっているわけです。

 それで、まあ私がここで説明したいことですが、それは、技術開発時に特許権を取得しておけば、たとえ相手が大手企業であっても特許発明を自由には使い難くなる、ということです。特許で押さえておいて、他の企業には製造販売させず特許権者自身で独占的に販売することも可能ですし、他の企業に使用させてライセンス料を徴収することも可能になります。特許庁に提出した書類だけで特許が取得でき、特許を取得しているだけで、有名企業でさえ、この特許を気にしながら業務を行わなければならなくなるのです。

 今回のユニクロの件ですと、特許権者は、ユニクロに使ってもらって、ライセンス料を貰うのが最も効率がいいですね。しかし、ユニクロも、侵害していないという考えを持っていますし、特許を無効にする審判も請求していますので、結末はどのようになるのかは分からないです。私の全くの個人的な意見としては、あのセルフレジはすごく好きなので、ユニクロにはこのまま採用し続けて頂き、特許権者にはその対価として、お互いに納得する良い金額のライセンス料が入るといいな、と思っています。もちろん、侵害していないとの結論になったり、侵害しているとの結論でユニクロがセルフレジ撤去、とかになったりするかもしれませんが。

 今回は、特許が活用されている事例として身近な話題に触れてみました!今年は本当に大変な年でしたが、しばらくは寒さを我慢して、良い春を迎えたいですね。春にはどうか綺麗な桜が見られますように!

Page 5 特許権を上手く使って製品販売

 こんにちは!

 特許による保護を得つつ販売を行うには、特許権を取得していることが大前提となります。そして、今までにお話ししましたように、特許権は、新しい技術に対してのみ付与されます。このため、特許により他者による同一製品の販売を抑制しながら新製品を販売したい場合には、新製品の販売前に、特許を取得しておくことが最も望ましいです。そうすれば、新製品の販売開始時点から、新製品に特許番号を表記して、他者による同一品の販売を牽制できます。

また、新製品の販売開始前(正確には公表前)に、なんとか特許出願さえしておけば、新製品の販売後であっても、特許を取得することはできます。この場合、販売開始後であって特許が取得できた時点以降は、他者による同一品の販売を牽制することが可能です。

 まあ、牽制だけでなく、損害賠償請求だったり、販売差し止め請求だったりと、色々とできるのですが、これらは、前回お話ししましたので、ここでは触れないようにしますね。

 従って、特許により他者による同一製品の販売を阻止したい場合は、新製品の開発段階から、特許出願を検討しておく必要があります。最低でも、新製品の販売前に特許出願はしておかなければなりません。簡単にいえば、特許事務所に相談しておいた方がよいです。

 なお、新製品の販売開始後であっても、販売開始から1年以内であれば、この期間内に特許出願をすることで、特許法の例外規定により、特許権の取得は可能です。基本的には、上記のように、新製品の販売開始前に特許出願をしなくてはならないのですが、実際には、新製品の販売前に特許出願をしておくことが難しい場合も多いため、このような取り扱いが認められています。特許出願は、実は面倒な作業で、新製品のどの部分について特許を取得したいかを特定し、特許を取得する部分を特定した上でその内容を書面で説明する必要があります。このため、特許出願をしようと決めてから、特許出願を完了できるまでには、平均1ヶ月程度の期間が必要です。しかしながら、実際には新製品の開発、製造、及び販売に奔走していて、じっくりと特許出願の作業のための時間を確保することなんてできない、ということが多いです。なので、新製品の販売開始から1年以内に特許出願をしているのならば、例外的に特許権を付与する、という規定がおかれています。

 まとめますと、特許権により他者の同一製品の販売を阻止しつつ新製品の販売を行うには、(1)販売前に特許取得、(2)無理なら販売前に特許出願だけはしておく、(3)それも無理なら新製品の販売開始から1年以内に特許出願をする、ということになります。

 というか、シンプルにいえば、新製品の販売を思いつかれたら、まずは、相談をしてみる、ということですね。特許事務所が最もよいですが、税理士さんでも、司法書士さん、弁護士さん、銀行員さん(?)など誰でもよいので、まずは相談をしてみてください。きっと弁理士につながりますので。ここで忘れないで欲しいのは、新製品の具体的な内容までは相談の段階では話さないようにすることです!特許が取れなくなりますので。新製品のために特許が取りたいけど…という程度の相談がいいですね。

 実は、他者による邪魔な販売を阻止しつつ製品の販売を行うには、特許権以外にも、意匠権や商標権を使うという方法もあります。これについては、またお話ししたいと思います。今回は、軽い話をと思っていましたが、あまり軽くないですね。失礼しました。次回こそ、軽くて面白い内容にしたいと思います!

 

Page 4 特許権をどのようにして活用するか 2

こんにちは!前回から、特許権を取得した製品を他人に無断で製造販売されてしまうことを、どのようにして防ぐかをお話ししています。

 特許権を取得しても、他人が特許製品の製造販売等を自主的に控えるとは限らないので、(1)特許権者が自分自身で自社製品が特許であることを積極的に広告する、(2)特許製品を無断で製造販売している他者に警告書を送る、ことにより他者による無断での特許製品の製造販売等を控えてさせる、といった策を説明してきました。

 これら(1)(2)により他者が製造や販売をやめてくれればよいのですが、これらを無視して、他者は、特許製品の製造販売をやめないこともあります。このような事態となった場合には、更に次の一手を打つことになります。

 このような次の一手としては、訴訟を提起する手段があります。他者が権利者に無断で特許発明を事業として実施することは違法行為なので、裁判所の力を借りて、他者による無断での特許製品の製造販売等をやめさせるのです。具体的には、裁判所に対する訴訟提起により、特許侵害品について差し止め請求を行います。そして、他者の侵害を認める判決が確定すれば、裁判所の力で、他者による無断での特許製品の製造販売等をやめさせてくれます。

 この訴訟による解決としては、更に、損害賠償の請求があります。上記の差し止め請求は、他者によるこれからの特許製品の製造販売等をやめさせるものなので、既にされてしまった侵害行為に対しては効果がありません。このため、既にされてしまった侵害行為により特許権者に損害が発生している場合には、その損害分を金銭的に支払ってもらうことを請求するのです。例えば、他者による特許製品の勝手な製造販売等のせいで、特許権者が販売する特許製品が売れなくなってしまい、本来は1000個売れるはずなのに500個しか売れなかったような場合は、この500個分を売り上げることで得られたはずの利益分を損害として侵害者に請求します。また、他者が勝手に販売した分について、ライセンス料を請求することもできたりします。裁判所による、このような損害賠償請求を認める判決が確定すると、侵害者である他者は、請求された金額を支払わなければならなくなります。

 これら差し止め請求及び損害賠償請求は、特許権を取得しているからこそ、できることです。特許権は、取得するだけで寝かせておくと効果が少ないですが、実際に動いている事業で販売している製品について取得しておくと、いざというときに有効に機能します。

 今回は、話の内容が固くなってしまいました。。。今後は、軽い気持ちで面白く読んで頂ける話を展開していきたいと思います。次回も読んで頂ければ嬉しいです。

Page 3 特許権をどのようにして活用するか

 こんにちは!前回は、特許権の内容や取得方法をお話ししました。今回は、特許権を取得した後はどのように活用すればよいのか、をお話ししたいと思います

 新たに開発した新製品について無事に特許権を取得できたとしても、特許庁に特許権の発生が登録されているだけでは、あまり意味がありません。特許権が発生すると、特許権の対象となっている製品等については、基本的に他人が勝手に製造及び販売することはできなくなるのですが、他人は特許権の存在を知らないことが多いのです。

 特許庁は「公報」を発行して国民全員にその特許権の内容を知らせるのですが、その公報は通常一般の方々の目にとまるものではありません。特許権の内容を知りたい人がウェブサイト等で調べて初めて知ることができるもので、一般家庭や企業に特許庁から自動的に公報が送られてくるようなものではないのです。このため、特許権を取得しても、他人が自ら、特許権の対象となっている製品等の製造や販売をやめてくれることは少ないです。

 ではどうするのか?ですが、まずは、特許権者が自分自身で特許権の内容、すなわち、自社製品が特許であることを積極的に発信する策があります。例えば、(1)製品自体やそのパッケージに特許番号等を記載し、製品を目にした他者に特許の存在を知らせるとか、(2)製品のカタログや販売ウェブサイトに特許を取得していることを明記しておく、といった方法があります。これらにより、他者が、「あっ、この製品には特許があるのか。では同じ製品や似た製品の製造販売を控えよう」という気持ちになることを期待します。これで控えてくれれば、かなりの効果です。特許権者は製品の販売を独占できます。

 しかしながら、他者が、特許の事実を知っても、その製品の製造や販売をやめない場合もあります。自分の製品は特許製品には該当しないと信じ込んでいる場合もあります。そのような場合には、次の策として、その他者に警告書を送る方法があります。「あなたの製造販売している製品は私の特許権を侵害するから直ちに製造や販売をやめてほしい」と伝えるわけです。これにより、他者の製造販売を牽制し、やめる方向に導いていくわけです。

 そうは言っても、警告書を送ってもその他者が製造や販売をやめない場合もあります。他者は、警告書をみても、自分は何も間違ったことはしていない、と考えることも多いですし、自分の製品は特許製品には該当しないと確信していることもあります。このような事態となった場合には、更に次の手を打つことになります。

 それで、次の一手なのですが、字数が多くなってきましたので、今回のお話はここまでとしましょう。次の一手は次回ということで。今は既に涼しくなっており、毎日眠りやすくなりましたし、食事も美味しくなってきました。皆さんに過ごしやすく快適な生活を楽しんでいただくためにも(?)、このお話はのんびり進めて行きたいと思っています。次回も読んで頂ければ嬉しいです!

Page 2 特許権とは?

 こんにちは!今回は特許権についてお話ししたいと思います。製造業等の方は、新たに開発した新製品を販売するときに、この新製品を他人に真似されたくない、自社だけで販売を独占したい、とお考えになると思います。このような場合に、新製品を他人が勝手に販売できないようにできるのが特許権です。例えば、製造業の方が、新製品を販売するとき、この新製品に特許を持っていれば、他人による同じ物の販売を止めたり、勝手に同じ物を販売された場合に賠償を請求できたりします。

 では、特許権は、どのようにすれば取得できるのでしょうか?特許権は、新技術の開発と共に勝手に発生するわけではありません。特許権は、特許庁という役所に特許出願(特許申請)をしなければ取得することができません。特許庁に特許出願をし、審査官による審査を経て、特許権が付与されます。この審査では、新しい技術(発明)について、新しさ(新規性)、難しさ(進歩性)、産業において利用できるか(産業上の利用性)の有無が判断されます。新しい技術にこれらがある場合に限り、特許が付与されます。

 ですので、特許を取得したい場合は、まず特許出願をすることが必要です。そして、特許出願には、審査官が上記の審査ができるように、新しい技術(発明)の内容を書きます。そして、特に注意が必要なのは、上記の「新しさ」は、他人に知られていないことを意味するので、基本的には新製品の販売前に特許出願をしておかなければならないことです。

 このような特許出願ですが、まともに審査をしてもらえるように新しい技術(発明)の内容を書くことは、なかなか大変です。このため、特許事務所は、発明者さんから依頼を受けて、特許出願書類を作成して、特許取得までの特許庁とのやりとりを行っています。特許事務所の存在意義の1つですね。

 このように、製造業等の方々にとって、新たに開発した新製品の販売時に特許を取得しておくことは、有効な手段です。今日では、企業間の競争で、スマートフォン、車、エアコン等のあらゆる製品には、無数の特許が取得されています。そして、技術開発の積み重ねにより、驚くべき高度な技術が登場しています。しかしながら、私は、いろいろな発明について特許取得のお手伝いをして高度な技術を見過ぎたせいか、今ではシンプルに、傘とか、靴とか、コーヒーとか、バタートーストとか(笑)、を最初に考え出した人こそ、本当にすごい人なのでは、と思っています。

Page 1 「知的財産権」と言われても…

 私は、特許事務所で弁理士として仕事をしているのですが、特許事務所や弁理士と言われても、何のことだか、わからないと思います。私自身、家族や友人、知人に、自分の仕事を説明しても、「う~ん…」と言われて話が続かなくなることが多いです。なので最近は、自分の仕事を説明すらしないこともあります。よく知られている職業である、税理士さんや弁護士さん、お医者さん、パイロットがうらやましいですね。

 そんな弁理士は、知的財産権というものを扱う仕事です。そして、知的財産権は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、等の形のないものについての権利ですが、一般的には、まだまだよく知られていないのが現状なんです。それで、この場を借りて(笑)、ちょっと紹介しようと思い立ちました!

 まずは特許権ですが、これは、新しい技術を考え出した場合に、この技術を他人が勝手に使えないようにしてくれる権利なんです。例えば、製造業の方が、新たに開発した新製品を販売するときに、この新製品に特許を持っていれば、他人に真似をされないようにしたり、勝手に同じ物を販売された場合に賠償を請求できたりします。逆に、悪気なく製品を販売していても、他人から特許製品と同一だから販売をやめて欲しいと言われるかもしれません。実は、この特許権などの取得をお手伝いしたり、揉め事を解決するのが私の仕事なのです。

 どうでしょう、ここまで退屈にならずに読んで頂けたでしょうか?(笑)。知的財産権は、事業者さんにとっては、「知っていると役立つ権利」だったり、「なかなか使える権利」だったりするのですが、経験上、長い話は聞いてもらえないことを知っていますので、この辺で!できれば、次回もまた、皆様に何かお話を聞いて頂けると嬉しいですね。